少林寺拳法部OBのTさんが練習に顔を出してくれた。
差し入れにいただいた飲料水を、現役部員たちは嬉しそうに飲んでいる。若い頃というのは不思議なもので、どんな小さなことでも可能性を感じられれば、それが喜びになる。未来を夢見るとは、そういうことなのだろう。
その後、彼女と二人で食事をした。
彼女はいま、キャリアの岐路に立っているようだ。私も存じているキャリアコンサルタントのIさんと組み、新しい事業を始めるという。
羨ましい気持ちがないわけではない。しかし、それは彼女の人生であり、私が真似できるものではない。
個人事業主として収入を得るだけでも大変なことである。さらに従業員を雇用しながら事業を続けるとなれば、その苦労はなおさらだ。
彼女自身もキャリアコンサルタントの資格取得を目指しているという。企業勤めしか経験してこなかった私には見えていない世界が、まだたくさんあるのかもしれない。
これからの時代、キャリアコンサルタントの役割はますます大きくなるのだろうか。そんなことも考えた。
彼女はまだ若い。だからこそ、思い切って挑戦してほしいと思う。経験してみなければ分からないこともあるし、失敗からしか学べないこともある。
Iさんのもとであれば、大きく道を踏み外すことはないだろう。心から健闘を祈りたい。
帰りは久しぶりに一人で飲み屋を回った。次に会った時、どんな言葉を掛けようか。そんなことを考えながら歩いている自分がいた。
気の利いた助言ではなくてもよい。ただ、相手の背中を少しだけ押せるような言葉を見つけたいと思った。人生は、お金を稼ぐということは、とても厳しいことなのだということも含めて。

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