新入部員を迎えるにあたり

あれほど体力を消耗していると思ったのに。もうこの辺りが限界かなと思っていたのに、不思議なものだ。練習場に行き、みんなの顔を見て、ああでもないこうでもないと話を交わしているうちに、体が動き出してくる。

私が携わる山梨県立大学少林寺拳法部の新入部員勧誘も、5月の連休明けあたりが一つの区切りだろう。今年の新入部員は二人。うまくいけば三人になるかもしれない。当部の運営や練習場所のキャパを考えてもちょうど良い人数だと思う。

今年の入部者は全員県外からの学生であり、先輩たちは新入部員へ学生生活の工夫を伝えていた。部内の取り決めにはじまり、生活の知恵、アルバイト情報、さらには「まかない飯」の評価まで話題は広がる。

「これ大事だよ!」

そんな声に、大いに盛り上がっていた。

中室牧子先生の著書『科学的根拠で子育て』には、学力テストでは測れない「非認知能力」の重要性が書かれている。忍耐力、自制心、やり抜く力。
こうした力は将来の収入にも大きく影響するとされ、その重要性は年々高まっているという。

また著書の中では、「スポーツをすることは最大の自己投資」とも述べられている。スポーツ経験は、リーダーシップ、責任感、社会性といった非認知能力を育み、将来の大きな成果へ繋がる可能性を高めるのだ。

私はここに、感覚統合を基盤とした美意識や中枢統合能力という視点も加えたい。

スポーツや武道の効能は、単なる経済的効果に留まるものではない。人生を豊かに味わい、謳歌するためのリベラルアーツの一つであって欲しいのだ。

学生たちには、この部活動を「実験室」のように使って欲しいと思っている。そして私自身も、この場で試してみたいことが沢山ある。

今年度もどんな化学反応が起こるのか。それが実に興味深い。

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