第3回個人心理学会学術大会の二日目に参加した。
招待講演でご発表された山梨県立大学名誉教授の坂本玲子先生のお話が、とても印象に残った。録画配信があるため、何度でも聞き直せることがありがたい。
自閉スペクトラム症の人々は「隣接現実」を生きており、一方で多くの定型発達者は、関係性を基盤とした「主現実」の中で生きているという説明は、とても分かりやすかった。また、統合失調症の理解においても、自閉スペクトラム症との関連に目を向ける視点は、日頃職場で感じていたことと重なる部分が多かった。
特に心に残ったのは、メンタル不調から回復した後に、彼らが戻る場所はあくまでも彼ら自身の世界であるという指摘である。そこに定型発達者の価値観や常識を無理に当てはめてはならない。
ASDの人々を理解しようとする営みは、多様性を受け入れるとは何かを私たちに問いかけているように思う。そして、そのような対話や理解の積み重ねから、新しい価値や創造性が生まれてくるのではないだろうか。 今回の講演を通して、「創造的に生きること」と「多様性の中で生きること」という二つの問いに、少し近づくことができたような気がした。

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