午前中、ひょっこり甥が保育園年長の息子を連れて遊びに来た。今日はザリガニを捕りに行くらしい。
甥の小さい頃と同じように、好奇心いっぱいの目であたりをキョロキョロ見回している。その姿を見ているだけで、こちらまで楽しい気持ちになってくる。
「こっちに来ないで!」
そう言っていたかと思うと、いつの間にか冷蔵庫からアイスを取り出し、気付けばもう3本も食べていた。これから出掛けるというのに、お腹は大丈夫なのだろうか。
「小学校は大丈夫?」
そう尋ねると、
「そんなこと、分かっているから……。」
と、少し反抗的な返事が返ってきた。
ところが、しばらく間を置いて突然、
「弟は、もう少ししたらしゃべるよ……。今はまだ話せないけど……。」
と話し始めた。
少し面食らった。
彼なりに、生まれつきの障害で言葉を話すことのできない弟のことを、いつも気に掛けているのだろう。どこまで理解しているのかは分からない。それでも、弟への愛情や期待を、自分なりの精いっぱいの言葉で伝えようとしていることだけは、よく伝わってきた。
「お兄ちゃんが小学校へ行ったら、保育園に残る弟は一人で大丈夫なの?」
そう尋ねると、彼は少し怒ったような表情で、一生懸命何かを私に向かって話してくれた。
私にはよく聞き取れなかったが、どうやら、
「大丈夫だから。」
「心配しないで。」 そう言いたかったようだ。

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