本日の大学少林寺拳法部の練習は、宮原君と二人きりだった。
この組み合わせも珍しい。嬉しくないわけではないのだが、無口な20代の男子学生と二時間近く向き合うとなると、こちらも少し気持ちの置き場に困る。
彼はどんなことを感じながら練習していたのだろうか。練習が終わり、別れ際に「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げてくれた。
それだけで十分な報酬である。
昨晩は、なぜだか袖巻返しの解説を探したくなり、深夜まで資料を漁っていた。頭が冴えている時は不思議なもので、少しくらい酒を飲んでも酔わない。
技を探求することは楽しい。
ただ、その根底に誰かとの競争が入り込むと、どこか虚しいものになってしまう。技を磨くことそのものを楽しめなくなった時が、武道をやめる時なのかもしれない。
昨日は櫛形体育館で少林寺拳法の体験会を開催した。結果として、中年の男性が一人見学に来られた。しかし、その方が思い描いていた武道とは少し違っていたようで、あまり興味は持てなかった様子だった。
以前なら残念に感じたかもしれない。だが今はそうでもない。武道は万人向けではない。好きになってくれる人がいれば嬉しいが、無理に広げるものでもないのだろう。
そんなことを考えながら、今日も学生と一緒に技を練習していた。

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