W・ユージン・スミスという人の生き方

先日、東京都写真美術館で観た『W・ユージン・スミスとニューヨーク・ロフトの時代』の図録が届いた。とても心に残る写真展で、喉に引っかかっていた彼の言葉が、ずっと気になっていた。

図録の解説を読み、フォトエッセイという表現形式を芸術的・社会的に確立した代表的な写真家の一人がW・ユージン・スミスだったと、この本を手にして初めて知ったのも大きな収穫だった。

今回の展示は、1950年代後半からのニューヨーク・ロフト時代を中心とした内容で、数年前に映画化もされた日本の水俣を題材にした作品も含まれている。

ジャーナリストとしては不遇の時代にあたるそうだが、その時期に生み出された写真作品や数々のメッセージには、強く惹きつけられるものが多い。

展示の後半には、妻アイリーンが撮影したW・ユージン・スミス本人のポートレートや、お茶目な日常風景も展示されていた。そこに写る彼は、笑顔がとても魅力的な、実に良い男だった。

不遇の時代、ニューヨークのロフトがあるアパートには、多くのアーティストたちが集ったという。中には著名な作家もいたが、その多くは無名のまま消えていった人々だったそうだ。

今回の展示には、発表を前提としない莫大なネガ群も含まれていた。作品そのものはもちろんだが、私はW・ユージン・スミスという人の生き方を、もう少し深く知りたくなった。

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